劇場の配信についての発見?!配信設備が意味ない?
配信設備が意味ない?
コロナ禍、シアターはほぼ稼働していない。うちのようなマイクロシアターは三密になりやすく、もともと座席数が少ないため、集客を半分にしてやると、ほとんど開催の意味を問われるレベルになってしまう。(8〜10人程度の集客)
そんな中でも何かしらイベントを開催したいと熱意のある表現者からポツポツと問い合わせの連絡がある。
新宿区の支援のおかげで導入した配信のスイッチャーやモニターやカメラ。これらをなんとか利用したいと考えていたのだが、実際に導入してみて分かったことがある。
それは、配信をする場合にかかるカメラマンのギャラ、スイッチングスタッフのギャラ、カメラ機材の費用や、操作の難しさだ。
配信が商業的に成立できるのはある程度の規模のシアターで、集客力のあるキャスト、という条件が出てきてしまう。
そもそも小劇場から新しい才能が生まれる世界なのだが新しい才能を育てる場にはそれらの救いの手は伸びることがないのだ。
採算度返しでやりたいという団体様や表現者も中にはいるし、そういった方からも連絡はあるのだが、一番のネックは機材の操作なのだ。機材は安く買える時代になったがその操作には人の手がいるのだ。。。と思っていた。
配信を進めようとしながらも、こういった理由から動けなかった僕がいる。
配信の考え方を変えた!
しかし今日、下見にこられた方からぽろっと出た一言に衝撃を受けた。
僕は映像のプロとして20年以上仕事をしてきているため、この当たり前のことに、目を向けることがなかった。
「配信は出来ますか」「機材はあるが色々と大変」「携帯でやろうと思うんですよね」「!!?」
そして僕は知りたくなった。携帯カメラをマルチカメラでスイッチングできるのか?
携帯カメラなら誰でも操作ができるし安価だ。というか買う必要がないのでは?
調べてみるとなんとiPhone とipadだけで出来るようだ!まさか?!
ということは?と僕は考える。
まず操作が簡単ならばカメラマンを雇う必要がない。もちろんプロの方が上手いかもしれないが必ずしもプロが必要なカメラワークが必要とされない場合がある。最近は大体の人はカメラ操作は上手い。
団体の携帯を借りればマルチカメラは無料でできる、つまり安価に配信が出来るのだ!本当に安価に!
しかも多分なれた携帯を操作するのだから楽しさもあるかもしれない!知らない業務用機材を触ることは苦手意識から苦痛でしかない。
しかも携帯の良さは、なんといってもあの親近感あふれる生々しい素人カメラのような感じだ(とはいえ画質などは相当良いので操作次第ではプロカメラと区別がつかないが)
携帯独特の親近感の湧く、距離感の映像で演劇を配信する方がむしろ生々しさが出て良いのでは?いや、全てがそれでいいわけではないが、そういう演出に適した舞台ならむしろその方が良い、と思ったのだ。当シアターの規模から考えても生々しいほうが適している。
洗練されたかっこいい映像を作り込むなら映画の方がいい。
これを実験的にやっていけないか?
やってみたい団体を募集してみようかしら?